深い緑の影が創り出す この空間は そう ひとときの 安らぎ  木漏れ日  「ふわぁー、あっちぃ・・・」 帽子をうちわ代わりにしながら、上を仰ぎ見る。 そこには、深い深い緑が広がる。 このもっと上空では、雲一つ無い青が広がり、燦々と太陽が光っているのだろう。 その光を優しく遮る、緑の影。 俺のお気に入りの場所の一つ。 「・・・眠い。ねよ」 確か、部長は30分休憩と言っていた筈だ。 なら、29分くらい寝ても支障は無いだろう。 そう、結論付けて、ゆっくりと影に身を横たえる。 すると、すぐさま眠気が確実なものとなって襲ってきた。 ポコン 「いってぇ・・・」 だが、次の瞬間、眠りに落ちようとしていた意識は引き戻された。 何かが、脳天に直撃したらしい。 頭をさすりながら、上体を起こし、手を地に付くと。 フニュ 地面とは違う何か別のものが手に当たった。 「・・・テニスボール?」 それは、あまりに見慣れたもの。 一日、何時間と共に居るもの。 どうやら、この黄色い物体によって、昼寝は妨げられたようだ。 何気なく、じっとそれを見ていると、どこかで見たような印がついていた。 「これは―――」 「りょ、りょ、りょ、リョーマくん?!」 「・・・竜崎?」 ボールの印について、思案していると、突然、素っ頓狂な声がかけられた。 後ろを振り向けば、特徴的な長い三編みを揺らす、テニスウェアを身に着けた少女、竜崎。 「え、わ、あ・・・!もしかして、ボール、当たったり・・・した?」 「した」 「えーーー!?!?ご、ごめんなさい!!!」 慌てふためきながら、かけられた質問に、簡潔に答える。 竜崎は、もとから赤かった顔を更に紅に染め、ぺこぺこと頭を下げる。 「そんなに何度も謝んなくていいよ。べつに、怪我してないし・・・」 「で、でも!!!」 あまりにも恐縮しすぎる竜崎に、呆れたように声をかける。 竜崎は何事にも気を使いすぎる。 それは彼女のよいところでもあり、悪いところでもある。 「それよりも、そんなとこ居て、暑くない?」 「え・・・?」 「影ぐらい、入ったら?」 とりあえず、話題展開。 直射日光に晒されている竜崎を、問答無用で木陰に誘導。 「えっ?!あの、そのっ!」 「・・・日射病なんかで倒れたら、元も子もないじゃん」 ここ、涼しいから。 そう言えば、うんそうだねと小さい返事が返ってきた。 「あのね、リョーマくん・・・」 「何?」 「あの、その・・・ボール、見なかった?」 影に入っても、どこか落ち着かない竜崎。 ふと、そういえばまだコレ返してなかったな、と思い手にあるものを渡す。 「あ、ありがとう!」 よかった・・・無くなってなかったんだ。 そう呟きながら、ほっと胸をなでおろして安堵している竜崎から、 このボールがよっぽど大事なものであることが分かる。 ―――そういや、あんときもこのボール、必死に探してたよね。 そう遠くない昔、このボールを探すために、どっかの中学とテニスで勝負したっけ。 そんなことを思い出すと同時に、少しこのボールについて興味が沸いてくる。 「このボールの印・・・」 「えっ、あっ、えっ?!もしかして、見たの?!」 「見た・・・というかそれ、俺?」 「・・・うん」 あ、やっぱりそうだたんだ。 でも、なんで俺の顔なんか描いてるボール、使ってるんだろ? 「俺の顔、叩いて楽しい?」 「そ、そうじゃなくて・・・!あの、その・・・。」 俺の言葉に、盛大に慌てる竜崎。 一生懸命、言葉を捜してるようだ。 「リョーマくん印のボールで練習してると、ちょっといつもより上手になれたような気がするの」 ぽつり、ぽつりと零される言葉は――― 俺を驚かすには十分で・・・。 「ほら、いつもリョーマくん、さり気に色々教えてくれるでしょ?  このボール見てると、そんなリョーマくんの言葉がよく思い出せるの―――」 はにかむように微笑みながら発せられる彼女の言葉に、何かが胸の中に広がった――― これは、驚きじゃない。 「リョーマくんの言葉を思い出しながら、練習すると、ちょっとずつだけど上手くなって行く気がするの。  ありがとう、リョーマくん」 驚きというよりも―――もっと温かくて、優しい――― 「りょ、リョーマくん?!」 考えるよりも先に行動してた。 気が付けば、腕の中に竜崎が居て――― 「・・・なんか、嬉しい」 「え?」 「竜崎が俺の言葉、思い出して練習してくれてるの、嬉しい」 どうしてだろう? それは、分からない。 でも、こんな温かくて、くすぐったい気持ちは始めてで。 なんとなく、もう少しこうして居たいな、って柄にも無く思った。 サァーと頭上で、木の葉が揺れた。 白い光が、優しく注ぐ。 深い緑の影が創り出す この空間は そう ひとときの 安らぎ そんな場所で 君と一緒に過ごせたら どんなに幸せかな―――? 〜FIN〜 〜 あとがき 〜 暑中見舞い第三段はテニプリのリョ桜です〜v それにしても、やたら、小恥ずかしいのはなぜ?!(笑) 背中の辺りがむずむずとくる、この感触。(笑) リョマ王子、自分の気持ち自覚しきってないし・・・! このあと、リョマ王子は桃ちゃんや菊ちゃんに見つかって、盛大にからかわますよ〜。 んで、練習で仕返しします。(するのか!/苦笑) ではでは☆ ここまで読んでいただきどうもでしたv 〜 おれい 〜 マロンさんからフリーSSを頂いてきましたvv くっそー!!越前くんめ!!早く言ってしまえー!!みないなv(何) 幸せを二人で掴む第一歩だっ!!!!!とか思いながら、ホクホク読ませて頂きましたv 是非、マロンさんのサイトへ足を運んでみてくださいね! ↑の名前にリンクを貼っていますので。勿論、リンクにもありますのでv リョ桜万歳!!ありがとうございます!! 2004/08/05

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送