「なあ、不二は何色が好きなんだ?」 「佐伯こそ、何色が好きなの?」 顔をあわせると、佐伯と不二はそんな会話をする。 答えはないけれど、二人はいつもそのあと一緒に笑う。 : おれんじ : 「うわ〜!きれーい!!」 周助が声を上げると、虎次郎もにっこりと笑う。 オレンジ色の光が公園いっぱいに広がっていた。 毎日毎日、外で遊んで一緒にいた。 遊ぶことも大好きで、二人はお互いがとってもすきだったけど もっともっと好きなものがあった。 「ふじー!こっちこっち!!」 「まってよー!」 虎次郎は少し高くなる、公園の滑り台に上った。 周助もそれに続く。 カンカンと音を立てて、階段を踏み外さないように歩いた。 虎次郎は周助が上ってくるのを待ちながら、その風景を見た。 周助が階段を上がると、オレンジのスポットライト。 少し眩しくて周助は目を細めた。 そんな友達を見て、虎次郎は笑顔で呼びかけた。 「みて!ふじ!!」 虎次郎の声に周助が顔を上げと、 そこには、ボールみたいな大きな丸い夕日。 そこから、光が溢れてふたりに降り注いだ。 「すっごいねー!!きれいー!!」 「おれもここすきだな!」 虎次郎の言葉に、周助はにっこり笑った。 「ねー、さえき。ぼく、ここからみるゆうひだいすきなんだ!」 それを聞いて、虎次郎も笑った。 「おれもこのおれんじがいちばん好きだな!」 ふたりはオレンジ色に包まれて、その光が沈んでいくのを見ていた。 一番好きなのは、綺麗な夕日と一緒に遊んだあとの楽しさだった。 そんな頃から、数年後。 二人は滑り台はない、小高い公園にいた。 「不二、俺、白が好きだけどさ、」 「うん。」 「輝く夕日の色はもっと好きだぜ。」 「僕もだよ、佐伯。」 そう言って笑えるのが、やっぱり嬉しい。 あの頃と同じ夕日をふたりで見る事が、今のふたりの一番嬉しいこと。 End * こういう幼なじみ素敵だと思うんですよ。私。   何か二人しか知らない、大切な思い出と大きくなっても仲がいい…そんな関係。   04/09/07

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