「りんごぐみの、まるいってしってるだろ？」
「ああ、しっているが。」






精市くんが聞くのは、隣の組のブン太くんの事。
それを聞いているのは、弦一郎くん。
よく精市くんと遊ぶので、弦一郎くんも仲がよかったりする。
因みに、精市くんと弦一郎くんはさくらんぼ組さんです。






「で、どーかしたのか、ゆきむら。」
「けーきがさ、すきらしいんだ。」

にっこり笑って、精市くんは言います。
弦一郎くんはその顔を見て、嫌な予感がしました。







「ゆ、ゆきむら…おれは…」
「てつだってくれるよね？さなだ！」





弦一郎くんは、幼いながら精市くんを尊敬していました。
おっとりとした所もあるけれど、自分にはない包み込む様な、温かさを持っていたから。




ただ…弦一郎くんには全く合わない様な事にでも、話を振ってくるんです。












「わかった…。」
「ありがとう！さなだ！」








でも、毎回　同意しています。
だって、精市くんは弦一郎くんより強いんですから。

























：まるいくん：














「まるい。」
「におー。」



さてさて、りんご組のお部屋。
ブン太くんと雅治くんが見えます。






「なー、まるい。おまえ、たんじょーびなんだって？」



雅治くんが聞きました。
その言葉に、ブン太くんはえへへと笑って、こくんと頷いて言います。




「そう！なんかねー、ゆきむらくんがけーきつくってくれるって〜☆」
「ほんとか！？いいなー、おれのたんじょうび、１２がつだ…」



羨ましそうに言う雅治くんに、ブン太くんは、いいだろ！とにこにこ笑った。








と、そこへ…














「まるいせんぱーいっ！におーせんぱいっ！」




と、元気の良い声が。
１つ下の、ぶどう組の赤也くんです。





「あーかやぁだ。」
「よっ！あかや。」





後輩の笑顔に、同じ顔で答える２人。
ふと見ると、赤也くんの手には一輪の赤いチューリップ。

赤也くんはそれを、ブン太くんに見せて言いました。







「まるいせんぱいっ！おめでとーございます！」







ブン太くんは、それを受け取って赤也くんの手を取りました。
其の侭、上下にぶんぶん振ります。




「ありがとー！あかや！！」
「よろこんでくれて、うれしーっすよ。」






そんな２人を見て、雅治くんは自分がプレゼントを持ってきていない事に気がつきました。
どうしようと、慌てている事など２人は気付きません。









と、ううーと唸る雅治くんの横を凄い風が吹き抜けました。



















「あかやぁ！！」
「ぎゃー！さなだせんぱい！」




風の正体は、弦一郎くん。
可也お怒りの様子。





どうしたんでしょうか？









「あかや！かだんのはなをぬいただろう！なにをしているんだ！」
「す、すみません…！ほかになにもなかったもんで…」






どうやら赤也くんは、ブン太くんへのプレゼントを幼稚園の花壇から持って来たみたい。
それは、いけません。






「たんるんどるから、そんなことをするんだ！せんせいがこまっているぞ！」
「ごめんなさい！ごめんなさい！」








怒り狂う弦一郎くんは、それはそれは恐ろしく見えるらしいです。
雅治くんも、今までの事など忘れ、びくびくしています。
いつもなら、ブン太君もそんな感じなのですが…今日は、弦一郎くんの前に。










「さなだくん…その…おれ、うれしかったから…。いけないけど、うれしかったから…」








その言葉に、弦一郎くんは少し落ち着を取り戻しました。








「いいすぎた。きょうは、おまえのたんじょうびなのだからな。」









弦一郎くんは、そう言ってから思い出したように扉を大きく開けました。
そこには、両手にケーキを抱えた精市くん。









「うわ〜。」

声を上げたのは、勿論ブン太くん。
待っていたのは、ケーキだけじゃないんです。







「まったく。さなだは、おこるとすぐひとりでいっちゃうからな。」






精市くんの言葉に、弦一郎くんはすまない…と頭を下げました。
そんな、弦一郎くんにまあまあ、と言ってブン太くんの前にケーキを置きました。
その形は悪かったけれど、とっても美味しそうな心のこもったケーキ。












「まるい、おたんじょうびおめでとう。」







にっこり笑って、精市くんは言いました。
ブン太くんは、にぱぁ〜と顔を笑顔にして…







「ありがとうっ！」








と、大声で叫びました。




待っていたのは、ケーキよりプレゼントより、みんなの言葉だから。

























まだ小さい彼らには、大きかったケーキ。
今年のケーキはその3倍。


人数も増えて、喜びも　もっと　もっと　大きくなるよ。







変わらないのは、ブン太くんの笑顔。



これからも、ずっとずっと　一緒にいたい。
そんな、友達がブン太くんにはいた。





















『まるいぶんたくん』が『丸井ブン太くん』になっても、同じ。













END．


























　　　　　　＊今日の教訓。ネタはハッキリ決めて書きましょう…。
　　　　　　　すいません…起承転結なくて…紳士と蓮ニがいないのは、アニメからです。
　　　　　　（蓮ニはまだ引っ越してない。紳士は、ゴルフしてた/ぇ）
　　　　　　　ついでにいえば、途中でネタが被ってますね…。（どこでしょう？）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　04/04/17